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ミウは俺が真横に立ってもテレビに夢中になっているのか気がついていないみたいだ。
その瞬間、悪戯が頭に浮かんだ。
そういえば前に悪戯された事があったよな。
コイツ気づいていないみたいだし。この前の仕返した。
俺はそっとペットボトルをミウの額にあてた。
「冷たいっ!」
ミウは驚いたのかビクッと猫のような反応をすると、慌てて俺を見た。
その顔が予想通りで面白く感じる。
だからつい顔がニヤニヤしてしまう。
「気持ちいいだろ?この前のお返しだ」
「もう!」
ミウはそんな俺にイラッとしたのか、手をバタバタしながら叩こうとする。
でもミウの動きはスローモーションのようにトロくて簡単に避けられる。
俺はひょいっと軽く避けると、ミウの額を触った。
今朝ほどではないが、まだ熱く感じる。
「まだ少し熱あるな」
「大丈夫だよ」
「いーや寝てろ。明日会社に行くのなら尚更だ」
「だって部屋で寝てるのつまんないんだもん」
「おまえ病人だろ?」
「でも」
ミウは口を尖らせると子供が駄々を込めるように言った。
きっと「寝てろ」と言われた事が子ども扱いで嫌だったのだろう。
でもしょうがないだろ。熱があるんだから。
俺はやれやれと呆れた顔をすると子供をあやすように言った。
「でもって…おまえさぁ。じゃあこうする?」
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