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俺はミウの声に振り向いた。
ミウは下を向いて「邪魔だよね?」と上目づかいに俺を見ている。
そんなミウを見ていると心が和む。
まぁ元々邪魔だと思ってないし。
そんな顔をされると仕事をする気もなくなってくる。
「いいよ。具合は?」
そう言うと俺はミウの額を触った。
さっき触ってから差ほど時間が経ってないから、当然まだ熱い。
でもミウは平気と言わんばかりにニコッとすると元気そうに言った。
「もう大丈夫」
…たく。まだ熱があるのに何が大丈夫だよ。
でもまぁ、きっとミウの事だ。
俺に気を使っているんだろうな。
これ以上心配かけちゃいけないって。
そんな事考えないでいいのにな。
俺はそんなミウを思うと「ふっ」と笑ってしまった。
「そっか。でも寝てろよ」
「うん」
ミウはそう言うと大人しくベッドに戻り横になった。
俺はそんなミウに布団をかけながら言った。
「早く良くなるといいな」
「…ありがとう」
ミウはそう言うと俺を見てニコッと微笑んだ。
その顔を見ていると昨日の事が夢だったみたいに、いつもの日常に感じる。
結局、理沙との事は説明できなかったけど、こうしてミウと以前の様な関係に戻れたと思うとホッとしていた。
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