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「はぁ…」
高科との電話が終わると一気に体の力が抜けた俺はソファーの背もたれにもたれた。
頭の中を高科との会話がリプレイされる。
叶わぬ理沙への恋心。
俺への憎悪。
「…復讐かぁ」
偽装から始まった俺達の結婚。
理沙の企み。
そして高科の復讐。
この一連の騒動、誰が一番得したのか?
それは高科だと思う。
アイツの思い通りになった。一人勝ちだ…けど。
何故だろう?虚しく感じるのは。
「とんだ茶番だな」
これは茶番だ。
皆、各自の思惑にいいように踊らされて、結果がこれだ。
誰一人として報われていない。
ミウ…一体どこにいるんだ?
真相がわかった今、俺はどうしてもミウに会わないといけない。
早坂と一緒にいるのならそれでもいい。
きちんと会って決着をつけないと、このままでは中途半端だ。
でも理沙の話では仙台に行ってないらしい。
こっちにいるのはわかったけど…。
会社の前でいくら待っていてもミウは出て来ない。
小母さんから連絡がないから実家にも帰ってない。
そうなると一体どこに?
すると突然、家の電話が鳴った。
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