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本棚に追加でも会社が妨害するような事を言ったと聞いたのは、理沙さんが辞めてしばらくしてからだ。
どうやら会社も理沙さんも黙っていたらしい。
だから小林先輩も知らないはずだと思ってたのに…。
「それを小林先輩は知ってた?」
「私からは話していないけど、気がついていたんじゃないかしら?だから結婚を決めたんじゃないかと思うの」
「理沙さんの為に…偽装結婚?」
「そう。私と私の会社を守るためにね」
理沙さんはそう言うと凄く嬉しそうな顔をした。
その顔は絶対の確信があるのか自信に満ち溢れていた。
きっとこの人は小林先輩の気持ちが自分に向かっていると思っているのだろう。
だから理沙さんと会社を守るために結婚した。
結婚すればその印象が強くなって会社とのトラブルも霧が晴れるように消えていく。
それを狙ったと思っているのだろう。
理沙さんはそんな先輩を取り戻そうとしている。
会社も軌道に乗り、海外の仕事も手に入れた。
もう先輩は何不自由なく来てもらえる。
その為には結婚が…奥さんが邪魔なんだ。
俺はようやく理沙さんの考えている事がわかった。
でも先輩は理沙さんの話を聞いて「はい。わかりました」と言うだろうか?理沙さんのもとへ行くだろうか?
正直言って行かないと思う。
理沙さんへの気持ちはないと思う。
家に遊びに行った時の先輩の様子。
あれは絶対に奥さんを心から愛している。
だから俺の悪戯にあんなに怒った顔をしたんだ。
そんな二人を離婚させる事なんてできるだろうか?
すると理沙さんはスッと手を伸ばして俺を抱きしめると耳元で囁いた。
「だからあなたにお願いがあるのよ。高科君」
先輩奪還のシナリオを。

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