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彼ら二人の父親であるベイザムはリビングのタンスの奥から拳銃を二丁取り出すと中に銃弾を入れ込んでいた。
アスモ「なあ親父、一体何が起こってんだよ!!」
アスモが怒鳴るがベイザムは聞く耳も持たずにひたすら拳銃を見詰めている。
アスモ「おい!!聞いてんのかよ!!」
二度目の怒声にしてやっとこちらを向いたベイザム。
その頬には傷が出来ていた。
ベイザム「気になるのもわかるが後にしろ、アスモ、シファを連れて早く車に乗れ」
訳も分からないままとりあえずは言われた通りにシファを連れていつもは白だが汚れて汚い色の車に乗り込んだ。
後部座席に乗ると、シファが疑問多そうにこちらを見ている。
シファ「お兄ちゃん、ザファリどうなっちゃうの?」
アスモ「大丈夫。きっと大丈夫だから安心しろ」
そっとアスモはシファの茶髪の頭を撫でた。
バタン!
運転席のドアが開き、ベイザムが乗り込むと助手席にポーチを投げ置いた。
ベイザム「…」
無言のままハンドルを握り、アクセルを勢いよく踏むと車は夜の燃え盛る市街地に向かって走り出した。
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