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ベイザム「いいか二人とも、落ち着いて聞いてくれ」
二人は固唾を呑み込む。
ベイザム「今この街は、魔族に襲撃されている。」
!!
目の前のこの慣れ親しんだ父親が何を言っているのか二人は理解ができない。
アスモ「どういう…ことだよ?」
ベイザム「信じられんかも知れないが、この世には魔族と呼ばれる悪い奴等がいる。俺は今までそれをお前らに隠してきた」
アスモ「おい…なにいってんだよ…嘘だろ?なぁ、親父!」
ベイザムは後ろから聞こえる息子の声に耳を傾けながらも車を必死に走らせている。
ベイザム「残念だが、嘘でも夢でもなんでもない。奴等は人間の敵だ。幸いにも今この街に降りてきているのは蠱惑(リッター)と呼ばれる下級の魔族だが、人を殺す力は充分に持っている」
虚無感。
状況が未だに判断できない。
その時、シファが言った。
シファ「ねえパパ、シファ怖い」
突然の娘からの恐怖の打ち明けを聞くが止まることなど出来ない父。
ベイザム「…っ!!まずいっ!!リッターだ!」
勢いよくアクセルを踏み離し、横のブレーキを踏みつける。
車が反動で大きく揺れると同時にアスモはシファを守るために覆った。
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