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「なに?かくれんぼ?」 「…ちがう…っ。しぃっ」  わたしが人差指を口に当ててじたばたしていると、すぐ後ろに誰かが立つ気配。  ゆっくりと振り向くと、月子ちゃんの冷たい目がすぐ後ろに待ちかまえていた。 「…萌先輩って、ほんと、悪趣味ですね」  そう言い捨て、すぐ横をすり抜けていく。  渡り廊下を真っ直ぐに進み、去って行く背中は、今まで泣いていたとは思えないほど凛として見えた。
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