私があなたにできる事

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その夜、私はいつになく早く会社を出た。 いつもなら終業時間に華ちゃんが迎えに来るのだが、今日は一人になりたかった。 だから華ちゃんに「先に帰るね」と声をかけると私は駆け足で待ち合わせのホテルに向かった。 待ち合わせのラウンジに着くと私は「はぁー」と深呼吸した。 多分理沙さんは来ている。 動揺しないようにがんばろう。 私は顔をキュッと上げると辺りを見回した。 …理沙さんはどこだろう? でも理沙さんの姿は見当たらない。 あの人の事だから私より早く着いていそうだけど…。 どうやらまだ来てないみたいだ。 私はテーブルに案内されるとまず腕時計を見た。 まだ約束の時間まで20分ある。 確かに着くのが早すぎみたいだ。 …さてどうしよう。 携帯でもいじりながら時間を潰す? そういやスイーツって何があるんだっけ? このホテルは高級で有名なんだから美味しそうなのありそうだよね。 って。いやいや、そうじゃないでしょ。 これから大事な話をするんだから。 私はロイヤルミルクティーをオーダーするとぼんやりと辺りを見ていた。 すると後ろから私を呼ぶ声が聞こえた。 「あれ?小林さん?」 「はい?」 私は返事をして振り向くと、そこには意外な人が立っていた。
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