私があなたにできる事

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その顔は本当に恥ずかしそうで、こういう所は慣れていないんだろうなと思った。 もうじき理沙さんが来るから、本当はここにいて欲しくない。 でもコウの後輩である高科さんのお願いを断るのも何か申し訳ない。 高科さんも待ち合わせって言っているんだから、そのうち何処かに行くだろう。 仮に理沙さんに遭遇したとしても、ちゃんと説明してくれるだろう。 まぁそれまでだったら…。 私は渋々了承する事にした。 「…少しなら」 「良かった。一人で寂しいなぁと思っていたんです」 高科さんはそう言うと嬉しそうにニコッと微笑んだ。 それから高科さんは色んな事を話した。 沖縄にはプロジェクトが違うから行かなかった事。 コウの会社での様子、田中さんとの仲。 きっと私と二人でいても会話がないと気を使ってくれているのだろう。 次から次へと止まる事なく話していた。 でも私は高科さんの話は殆ど頭に入らなかった。 もうそろそろ約束の時間だから。 理沙さんが来る。 私はそう思うと気分がソワソワして話を聞いているどころではなかった。 だから高科さんには申し訳ないが早く何処かに行って欲しいと思ってた。 でも話は尽きる事なく約束の時間を迎えた。 「あ…あの」 私は時間だからと伝えようとすると、高科さんからさっきまでの笑顔がフッと消えた。 そして私を冷めた目で見ると口角を少し上げながら言った。 「じゃあ。話を始めましょうか」
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