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私は高科さんの言葉にビクッとなるとカッと顔を赤くした。
『セックスしてないでしょう』って。
この人何言ってんの?
こんな事聞く?
ありえないし、余計なお世話だ。
そりゃあしてないけど。
それに答える必要はない。
だから私は無視するようにただ高科さんを睨んでいた。
高科さんはそんな私の反応を楽しむかのようにニヤニヤしている。
そして私から離れて自分の席に戻ると言った。
「まぁそうですよね。先輩はずっと沖縄ですから」
私は高科さんを見ながら腹が煮え返る思いだった。
ああ。確かにそうだよ。
沖縄に行っているんだからしばらくしてないよ。
でも何でコイツに言われなきゃいけないの?
本当にムカつく。
ムカつき過ぎて…すごく悔しい。
私は悔しさから目頭に熱いものを感じた。
…嫌だこんな奴の前で泣きたくない。
それに泣いたらコイツの思いのままだ。
そんなの嫌だ。
悔しすぎる。
お金なんかいらないし、抱かれるなんて冗談じゃない!!
バカにするな!!
私は怒りに震える唇を抑えながら言い返してやろうと思った。
「バ…」
すると私の声に被さる様に低い声が聞こえてきた。
「彼女をバカにするのもいい加減にしろ!」
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