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でも考えてみるとこの電話はチャンスなのかもしれない。
全てをコウに話した方がいい。
コウの夢の為にはどうするべきかって。
私の事なんか気にしないでアメリカに行きなって。
私達は夫婦なんだから話し合うべきだと思う。
でも今日は色んな事がありすぎた。
まだ自分の頭も整理できてない。
だからそんな状態でちゃんと話せる自信がない。
もしかしたら泣き叫んでコウを困らせるかもしれない。
…それは避けたい。
それなら電話に出ない方がいい。
私は携帯電話を持ちながら電話が切れるのを待っていた。
でも着信音は止まらない。
留守番電話に切り替わってもまた着信音が聞こえてくる。
さっきの電話が気になって仕方ないのだろう。
だからコウは私が出るまで電話をかけ続けるだろう。
…コウ。
わかった。出るよ。
私は深呼吸をすると着信ボタンを押した。
「もしも…」
私は出来るだけ明るく言ったが最後まで言う前にコウの声が聞こえてきた。
「ミウ、さっきのは何だよ」
それは怒っている訳ではないけど勢いがあって。
私はコウのあまりにもの勢いに戸惑った。
…やっぱり。
さっきの電話を気にしていたんだ。
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