私があなたにできる事

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次の日、早速理沙さんから電話がかかってきた。 会社で仕事中だった私は携帯電話を手に取ると席を立ち廊下に向かった。 いくらなんでも自席で話をするわけにはいかない。 廊下ならまだ人も少ないし話しやすいだろうと思ったからだ。 私は余りにも急いで部屋を出ようとしたせいかドアを開けた瞬間、目の前にいた人にコツンと頭をぶつけた。 「あ…すいません」 私はその人に謝りながら顔を上げると、目の前には早坂さんがいた。 どうやら挨拶回りからの帰りらしい。 早坂さんは「大丈夫だよ」と言うと優しく微笑みながら私を見ている。 でも今の私は理紗さん電話が気になって早坂さんと話をする時間はなかった。 だからペコリと頭を下げると急いで廊下に向かった。 廊下に着いてもまだ電話は鳴り続けていた。 私は深呼吸して着信ボタンを押すと理紗さんの声が電話の向こうから聞こえてきた。 「美羽さん、こんにちは。この前の話だけど考えまとまったかしら?」 「はい。私…」 『一度コウと会って話そうと思います』 って言おうと思ったのに、理沙さんは私が言おうとするのを遮った。 「あっ。電話ではなくて会って話しましょう。その方がいいと思うの。今日は都合いいかしら?」 私は理沙さんから会いましょうと言われて驚いた。 てっきりこの電話で済ませるのかと思っていたから。 でも私も実際に会った方がいいと思った。 こういう話は電話だけで済ませるわけにはいかないから。 「はい。大丈夫です」 私はそう言いながら大きく頷いた。 自分に大丈夫だよと暗示をかけるように。
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