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「えっ?何で?」
私はコウの言っている意味がわからなかった。
華ちゃんに怒られた?何で?
迎えに来るのが遅かったとか?
コウが何かしたとは思えないし、あの娘が怒るってそうはないと思うんだけど。
…何だろう?
するとコウは私の顔をじっと見て言った。
「先輩の事、ちゃんと愛してあげてくださいって」
…ちゃんと愛してあげてください。
愛してあげてください。
愛されてない…?
私は飲み屋での会話を思い出すと同時に変な声を出していた。
「げ…」
そしてゴクリと息をのんだ。
言ったよ。確かに華ちゃんに言った。
まだ飲み始めの頃だからしっかりと覚えている。
愛されてないって。
その瞬間、背中に変な汗を感じてきた。
げげっ!華ちゃん、コウに話したの?
って、こうして目の前で言われているんだから話しているし。
……ヤバッ。
私はコウがどう思っているか不安になった。
怒った?それとも呆れた?
どうあれ嫌な気分になったのは間違いない。
するとコウは私の反応を楽しみようにニヤリとした。
そして意地悪な口調で言った。
「愛されてないかぁ…わかってないなミウは。じゃあ教えてやるよ……じっくりと」
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