おまけ ~伊集院華の憂鬱 side華~

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「ねえ、華ちゃん」 「はい?」 「華ちゃんはどうやってコウと連絡を取り合っていたの?」 昼休みにいつも行く定食屋で昼食後のお茶を飲んでいると先輩が突然話を切り出してきた。 それはあまりにもスマートな切り出し方で、ついさっきまでその関連の話をしていたように感じてしまう。 けど、そんな話一切していない。 彼氏の話。会社の上役の悪口。 よくある普通のOLの会話。私と先輩はそういう話しかしない。 だからいきなりダーリンの話を切り出されて驚いた。 まぁ気になるよね。 だって私とダーリンは接点がないから。 …先輩。相当気になっていたんだね。 気になってしょうがないのなら、普通に聞けばいいのに。 こんな涼しげな顔をして「私はそんなに気にしてないんだけど」って態度でさ。 なんかこういう先輩かわいい。 そんな先輩を見ていると意地悪したくなる。 「ふふふ。先輩、私を舐めちゃダメですよ。私は人事部にツテがあるんですよ」 「人事部?」 先輩は意味がわからないのか不思議そうな顔をしている。 「先輩、結婚報告の時に住所と電話番号の変更届け出しているでしょ?」 「あ…うん」 「それを聞いたんです。だからダーリンと連絡が取れたんですよ」 私はとびきりの笑顔でニッコリするとドヤ顔をした。
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