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コウはひたすら私の耳元から首筋を攻めていた。
荒々しい吐息、吸い付くように激しい動きの唇と舌。
でも嫌じゃない。
「こんな事をするのはミウだけだよ」ってコウの想いが、愛されているのが伝わってくるから。
言葉なんかなくても十分に心に染みわたる。
私はコウの絶妙な舌攻撃に陥落寸前だった。
いや、陥落していたと思う。
だってそこだけじゃ物足りなく感じてきたから。
もっと他の箇所も愛して。
コウの唇で私の全てを愛して。
今が朝だというのに抱かれたい衝動に駆られていた私はコウに身を委ねていた。
コウは唇を離すと、私の唇にチュッと軽くキスをした。
それが行為の終わりを告げているように思えた私は目をゆっくりと開けるとコウの声が聞こえてきた。
「ミウ…愛してるよ。誰よりもずっとミウだけを愛してる」
目の前には私だけを見つめている優しい表情をしたコウがいる。
私だけを愛してると言ってくれるコウがいる。
私はそんなコウを見ながら自分の心に自問自答していた。
本当はわかっていたでしょ?
コウが私を愛しているって。
でもこうして言ってくれると、やはり嬉しくて。
こんなに愛されていると思うと心が温かくなってくる。
私はコウをぎゅっと抱きしめると今度は自分がコウの耳元に唇を寄せた。
そして甘く、甘―く囁いた。
「私もコウの事、愛している」
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