おまけ ~伊集院華の憂鬱 side華~

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先輩の中にはダーリンしかいない。 とは言っても先輩の話ではダーリンはもう日本にはいないだろう。 元カノと一緒にアメリカに行っているだろう。 夢を叶える為に。幸せになる為に。 離婚届を置いて出て行ったから、もう会う事はないって。 まぁ、確かに会わなければ時間が解決してくれるかもしれない。 そのうち新しい恋人を作るかもしれない。 だから見守っていればいいかもしれないけど。 でもこの負のオーラを感じつつイライラするのはもう勘弁だ。 とっとと前の先輩に戻って欲しい。 それに私どうしても違うような気がするの。 先輩が家を出てから数週間後に会社の前でダーリンに会った時の事。 あの時もいつも通りのダーリンで、偶然会社の前を通ったって感じで話していたけど、絶対にそんな事ない。 先輩に会いに会社に来てたんだよ。 だって寂しそうだったもん。 ダーリンは先輩の事をずっと探していると思った。 アメリカには行ってないと思った。 まぁあの時は先輩に言われて嘘をついたけど。 本当は胸が痛かったんだよ。先輩。 早坂さんでもダメ。 やはりダーリンだと思ったら、俄然やる気が湧いてきたの。 どうしてか?って聞かれても上手く答えられないけど、気がつくと総務課の前にいたんだよね。 家の電話番号ならわかるだろうって。 それに知っている子もいたから「携帯に電話しても繋がらない。どうしても連絡を取らないといけない」って無理なお願いをして聞いたんだ。 ダーリンの連絡先を。
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