ふたつめのよる

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青年は顔を上げ、目の前にある主電源の切れている、黒いブラウン管テレビの暗い画面をちらっと見てすぐに視線を上げ、テレビの後ろの壁に掛けてある小さな、針の動く音が大きな時計を見た。 「はぁ~。もう2時か……」 青年は呟き、視界の右端に映っている、年末に行った郵便局でもらった、毎月違う風景写真の載った壁掛けカレンダーを見て、ため息をつき、腰を掛けているベッドの上にそのままの格好で、仰向けに倒れて、天井の蛍光灯で青白く光るドーム状の灯りを見て目を閉じた。 青年は閉じた目の中に光を感じながら、ゆっくりと深く息を吸い、吸ったを息をゆっくりと吐ききり、目を開けて起き上がった。
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