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そんな事もありながらも時は過ぎていく。僕も気づけば小学校五年生になっていた。今だに父親は一度も会いに来ない。僕は先生に「父親は会いに来るって言ってたんだよね?」と問いかけると先生は「A君も大きくなったし正直に話すね。」と言うと「お父さんはA君のお世話を出来ないから養護施設に預けたんだよ。お父さんはいつか会いに来るって言ったのは、A君もまだ子供だったから可哀想で先生は嘘を言ってしまったんだ」と言い出した。その時僕は大人なんか信じられないと心の中に怒りを感じていた。それから一年過ぎた頃だった。同じ歳のAちゃんが学校から泣きながら帰ってきた。僕は「Aちゃんどうしたの?」と聞くとAちゃんは学校の友達の親に「Aちゃんは親に捨てられたのよね?可哀想に」と言われた事が悲しかったと教えてくれた。実は僕はその時Aちゃんに恋をしていたから尚更どうにかしてあげないとと思い施設の先生に「学校に親が居ない可哀想な子供とかそんな目で見ないように言ってよ」と伝えると先生は「言っても同じ。みんなそんな目で見るのは変わらないし先生達も可哀想と思ってるのが正直な気持ち」と言う。僕はそれを聞いた時頭に血が登り気づけば先生を殴っていた。
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