両親に捨てられたA君

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それを見ていた施設の子供達に止められ落ち着きを取り戻しながらMちゃんを見るとMちゃんは下を向きながら自分の部屋に戻っていった。しばらく僕は先生に職員室で怒られていた。大体一時間位だったかな?僕はMちゃんを慰めにMちゃんの部屋に行った。「Mちゃん大丈夫?もし学校で何か言われたら俺が守ってあげるからな。だから気にしないでいつもの笑顔になりなよ」と言うとMちゃんは「ありがとう。A君と友達になれて良かったよ」と言ってくれた。僕は好きな人にそんな事言われたのは初めてで舞い上がりながらその日を終えた。次の日の朝だった。「大変だ。救急車」など先生達の声を聞き目が覚めた。うるさいなと思いながら、目覚まし時計を見るとまだ朝の5時位だった。僕は部屋から出てみると、先生達はバタバタしていた。周りにはうるさくて起きた子が何人もいた。二階の女子部屋からは誰かが叫んでる事に気づいた。良く聞くと「Aちゃんしっかりしてよ」と泣きながら叫んでるSちゃんの声だった。僕はAちゃんに何か起きたと思い二階に走って行った。途中先生達に「見たら駄目」と言われ止められたが振りほどきAちゃんの部屋を覗いた。「そんな」僕はそう言うと泣き崩れた。Aちゃんは首を吊っていた。部屋からは悪臭が漂いベッドはAちゃんの涎や尿などで汚れていた。
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