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―――「…麻里絵、ねえ麻里絵!!」
ジャキッ…
強く名前を呼ばれてハッとする。…また、考えてしまっていた。
「あー、かわいそう。どうしたの?ぼーっとして。麻里絵らしくない。」
友人で、私のフラワーアレンジメント教室のアシスタントをしている美咲が心配そうに私を見る。
次のクラス用に準備していたラナンキュラスの茎を、花のすぐ下からバッサリと切ってしまっていた。
「何?麻里絵に限って、まさか新婚ボケ?稜さんのことでも考えてたんじゃないの?」
くすりと笑って美咲が言う。
「まさか。」
私は親友には決して話せない想いを飲み込む。
…言える訳がない。結婚早々、夫の不貞を疑っているなんて。
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