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こんなに激しい鼓動は、どちらの胸から響いているんだろう。
わたしの…。それとも、先生の…。
…もう、二人の境目さえ、分からない。
ちゅる、と吸い上げながら先生の唇が離れ、わたしの頬にキスを落とした。
そこからゆっくりと滑らせながら移動して、あごの裏側をくすぐるようにぺろ、と舐める。
先生の鼻先が僅かに触れながら、するすると首筋を這い、下に降りて行く。
ぞくぞくと胸が疼いて、わたしは漏れそうになる声を堪えた。
頬にかかる先生の柔らかな髪から洗いたての香りがして、ふわりと鼻をくすぐった。
首元に埋まる先生の首が蠢くたびに、甘い電流がじわじわと身体の内側を痺れさせる。
鎖骨を唇で包み込んで舌を這わされると、わたしの身体がぴくりと跳ねた。
「…や…先生…」
乱れた息のまま発した声は、自分が出そうとしたものよりもずっと甘く響いた。
いつの間にか胸元のボタンが一つ外され、先生の顔がじりじりと下に降りて行く。
先生の熱くなった唇が胸の膨らみにさしかかり、柔らかく吸いつきながら、さらに下へ進もうとする。
固くした舌先がブラのレースを巧みにかいくぐり、その奥へと分け入っていく。
「…せんせ、…待っ…」
下からは、先生の手がわたしのパジャマの裾を探っていた。
もぞもぞと中に侵入して、…さらにキャミの中へ…。
「…あっ…」
驚いて身体を起こそうとすると、先生が顔を上げ、わたしの顔を見た。
「……」
「……」
見つめ合いながら、…一旦停止したはずの先生の右手は、そのままするりとキャミの内側に潜り込んで、わたしの素肌を撫でながら上に進み始める。
「あ、せんせ…」
わたしは、慌てて服の上から行く手を阻んだ。
「…いいの…?」
先生が、ぱちぱち、と目を瞬く。
「…卒業まで、ガマンしなくて、…いいの…?」
「……」
先生は、アルコールという魔物によってやや据わった目で、わたしを見つめた。
長い長い、間。
…先生…。
…今まで見たこともないくらい、葛藤してる…。
やがて、先生はぽつりと言った。
「…でも…」
「…え…」
「触りたい」
「……」
…触りたい、って…。
そんな、真面目な顔して…。
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