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「ね、先生…」 「…なに」 「…ひざまくら、好きですか?」 「……」 「…ここにごろんて、する?」 「……」  …あ。…今、一瞬だけすっごい嬉しそうな顔、した。  先生は黙ったまま、ごそごそと身体を引き、わたしの膝の上に頭を乗せて丸くなった。  上から顔を覗き込むと、テレビの方を見ながら、心地よさそうにしている。  遠慮がちに手を伸ばし、髪をそっと撫でると、猫のように目を細めた。  …気持ち、いいんだ…。…めちゃめちゃ、幸せそう…。  可愛くてたまらなくなって、…わたしは自分の髪を耳にかけ、身体を屈めて、先生のほっぺにちゅっとキスした。  そして、…先生の弱点である耳にもキスしようとして…ぴたりと止まる。  危ない危ない。  …大樹さんが舐め回したかもしれないところに、キスはちょっと…。 「先生」 「…ん?」 「大樹さん、先生のどっちの耳、舐めたの?」 「…なんで」 「……。あ、やっぱり、いいです」 「……」  先生がこちらを見上げて、手を伸ばす。  鼻をきゅっとつまんでから、 「…お前は、大樹の真似しなくていいの」 「……」  …やっぱり、お見通し…。
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