風の都フォルトゥーナより

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今日は風が強い。 レストラン『レ・ボアーノ』のシェフ、ツエーテンは店先にある風車を見た。 小さな風車はクルクル回り、今にも吹き飛ばされそうだった。 風の強い日には何かが起こる。 彼は祖母からそう教えてもらった事がある。 風の都たる由縁。 それはこの都市の地形に関係していた。 突風、竜巻なんて日常茶飯事。 風の起こりやすい地形なのだ。 その風を皮切りに太陽光、地熱などの自然エネルギーを変換している。 自分が子供の頃はこんなに栄えていなかったものだ。 「ツエーテン、お肉買ってきたよ」 精肉店の袋を持った女性が店に入ってきた。 「エリア、風は大丈夫かい?」 ツエーテンの問いにエリアは乱れた髪を直しながら頷いた。
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