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背中を汗が流れる。空調のせいだけではないのは確実。
最近では夏の風物詩のようになってしまったゲリラ豪雨が始まったのが、一時間ほど前。
僕は、開けていた窓を閉め、激しい雨音と、轟く雷鳴を聞いていた。
そして、一際大きな雷のあとで停電したのが、約十分前。
その時、この部屋には確かに僕以外の人間は存在していなかった。
その後も鳴り響く雷。
そして、今。
自分しかいない部屋に、もう一人の誰か……。
ホラー映画とかなら幽霊や殺人鬼と相場は決まっているけど、ホラー映画じゃないし、僕に霊感はない。
でも、確かにもう一人、いる。
いつ?
どこから入った!?
もう完璧パニックだ。
「ねぇ」
「うわぁっ!」
突然の声に僕は悲鳴を上げ、のけ反る。
反動でベッド脇に置いてある背の低い本棚に足をぶつけ、「いってぇ!」さらにバランスを崩し、その本棚の横にドスンと尻もちをついた。
「だ、誰!!何でいるの!?」
喚く。そうでもしないとおかしくなりそうだ。
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