0人が本棚に入れています
本棚に追加
/10ページ
巫女はもう気づいていた。
「大切な友人を傷つけたから。」
「そんな奴とは関わりたくない。」
友達思いの晶。
その優しさにも惹かれた巫女だけれども、どんなに思いを寄せても相手はそれに答えてくれはしない。
この恋は自分の気持ちがさめるまでの片思いだ。と。
「まったく。一応アイツの誕生日くらいは私知ってるよ?」
右目をヒクヒクさせながら言う香林。イライラしている証拠だ。
「お、教えて!お願い香林ちゃん!」
「…。12月。12月27日。」
「12月…27日…。…誕生日までかっこよく感じるよ…ありがとう!香林ちゃん!」
「別に。中学一緒だったから。イヤでもわかる。」
「巫女にはどこまでも甘いよね~香林は。」
「うるさい琉奈は黙りなさい」
「…私も優しくされたい。」
シュンと、眉を下げながら言う琉奈に密かに胸きゅんした2人。
そんなことに気づかない琉奈はパクパクとパンを食べる。
「ごちそうさま。」
琉奈のその声を合図に 昼休み終わりのチャイムが鳴った。
最初のコメントを投稿しよう!