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「そ、する…あ、先生来たから前向きな?」
「う、うん」
若干の悪寒を感じ、無理やり前をみさせる。
その時一瞬いやそうな顔をしたのは 巫女は気付かなかった。
「はぁい。授業始めるから余計な物はしまえー。直人ピン止めしまえー。」
「うぃーす…」
「よし。じゃあプリント数枚配るから今日はこれ解け。明日答え合わせするぞー。」
いつも。これがいつも。
日常。
授業があって誰かと話して。
ただそれだけ。
恋愛…考えるだけ悲しくなる巫女は考えないようにするのが精一杯だった。
「っ…ぁ」
プリントを受け取り終わって窓をみると 青々としていた空に見入った。
「先生!少し寒いから窓側座って良いですか?」
手を挙げ、席移動を頼むとすんなり許してくれた。
「今日は日が暖かいなぁ…」
先生も窓の外を見つめながら呟く。
「ふぅ…」
暖かい、綺麗。
巫女はそれだけで落ち着いた。
そしていつの間にか眠りについていた。
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