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立体的平行視界
視界が歪む。
テレビの砂嵐のように、
引っ掻き回された眼前に吐きそうなくらいの嫌悪感を抱く。
何かを知らせるアラームのような音が、
耳障りなノイズを突き破って脳内に響き渡り思考を眩ませる。
ノイズの音は御免だが、
アラームの音も正直耳に優しくはない。
もしも、
この世界が誰かの手によって作り変えられているとしたらーー
何処からともなく肢体に掛かる重みは、
身体の自由を奪って四肢を強張らせる。
目に浮かぶのは、
自分を抜きに進む日常。
嫌だ、嫌だ、嫌だ!
叫ぼうにも、
胸が潰されて悲鳴すら出せない。
苦しくて、苦しくてーー悲しい。
そんな夢を観ていた。
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