一章

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一陣の風がガルディオスに吹き荒れ、それは王宮へと一直線に向かっていった。 [着いたよ。足、大丈夫?] シリュウは足を止め、不安そうに後ろを向いた。少女は満面の笑みでそれに頷きそれに、答えた。 [よかったぁ。じゃ、俺はこれで。がんばっ…] [君たち受験生かね?受験生なら早くしなさい。10分前だぞ。] 城門付近から声が聞こえた。少女は慌てて門に向かい走り出した、途中振り向き会釈をくれた。小さな背中だった。 シリュウが戻ろうと振り向くと、先刻のつんざくような言葉が響いた。 [君も早くしなさい!] シリュウは番兵に両肩をもたれ、門の中へと押しやられた。
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