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ななみんの納得のいかない声に、れいちゃんは視線を戻した。
ななみんは変わらず、シャープペンシルをノートに滑らせている。が、不意にそれは止まった。
そして、頭を抱えてななみんは言った。
「ここでこの能力が出て来ると矛盾がぁー」
(自作小説の設定!?)
れいちゃんは突っ込みたい衝動を、無理やりに抑え込んだ。
ななみんは最初からノートをとってはいなかった。
授業とは無関係の自作小説の設定作りに、夢中になっていただけであった。
「んじゃまぁここはこうしてーのー」
ななみんは尚も設定作りに勤しむ。
冷静になったれいちゃんは、冷ややかな目で眺めていた。
「……」
「―で、ここの問題解る人いるかー?」
それまで説明をしていた教師が、生徒に問題の答えを尋ねた。
れいちゃんはおもむろに手を挙げた。
「先生ーななみんが解るらしいです」
ななみんへと矛先を向けさせる。
教師はななみんに目を向けた。
「よーし、じゃあこの問題の答えを言ってみなさい」
「あーはいはい……へっ!?」
ななみんは驚いて、目をぱちくりさせた。
当然、問題は答えられなかった。
授業は真面目に受けましょう。
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