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夜。
1時限目の授業の最中、短い茶髪の少女―ななみんは疲れ果てていた。
突然、友人に指名された。
教師からは問題に答えなさいと言われる。
それらにより、普段使わない頭をフルに回転させたからだった。
「もー!れいちゃん酷いよー」
ななみんは友人である金髪の少女―れいちゃんに文句を言った。
「今は授業中。ちゃんとノートとらないと後で泣くことになるよ?」
れいちゃんは冷静に、けれども、諭すように言う。
「むー……」
正論を返されて、ななみんは何も言えなかった。
変わりに頬を膨らませて、髪と同じ色の瞳に反抗の意を込める。
れいちゃんは碧色の瞳に呆れた色を浮かべる。
「もみじさんを見習いなよ。ちゃんと先生の話も聞いてて……」
そのまま、もみじさんへと視線を促した。
ななみんは促されるまま、もみじさんへと顔を向ける。
もみじさんはしっかりとノートをとり、予習も復習も怠らない人物だ。
当然、今もそうであるとれいちゃんは信じていた。
が、
「……ここで疑わしき人物による自白ですか……ふむ」
(教科書盾にして小説読んでるー!?)
もみじさんもまた、授業を真面目に受けていなかった。
真剣に授業を受けている姿勢で、真剣に推理小説を読んでいた。
「もみじさんは器用なんねー」
ななみんは感心していた。
れいちゃんは先ほどのななみんのように、頭を抱えていた。
こういう人を偶に見かけます。
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