1人が本棚に入れています
本棚に追加
夜。
「えーっと……次の授業はー」
記憶を探るように短い茶髪の少女―ななみんが言った。
今終わったばかりの授業の教科書をしまい、次の授業の教科書を探す。
教科書などは学校に置きっぱなしなななみん。
机の中には大量の教科書やノートが収まっていた。
「数学」
隣の席から金髪の少女―れいちゃんが教える。
れいちゃんは鞄から数学の教科書とノートを取り出していた。
それらを丁寧に並べて机の上に置く。
その様子を見ていたななみんだったが、不意に勢い良く立ち上がった。
「あっ!お手洗い行っとこ!」
「そうしときな」
ななみんがお手洗いに行くのは、決まってこの時間である。
なので、れいちゃんは気にせずに携帯電話を取り出す。
「ついでになんか飲み物買ってくんねー」
「はいはい」
ななみんがお手洗いの後に飲み物を買ってくるのもいつもである。
なので、れいちゃんは気にせずに携帯電話を弄くる。
「あっそだ!借りてた本も返さんとね!」
「返却日今日だもんね」
ななみんが飲み物のついでに本を返してくるのも然り。
ただ、返却日をとうに過ぎているのがほとんどだ。
教師も解っているようで、もはや何も言わない。
なので、れいちゃんは気にせずにメールチェックを始める。
最初のコメントを投稿しよう!