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「あとはーセンセーのとこ行ってプリント提出しなきゃね!」
「また忘れてたの?」
ななみんがプリントを机の中から取り出す。
昨日提出の課題だ。
ななみんは家に持ち帰らないので、いつも学校で課題に取り組んでいる。そうして、提出期限を過ぎてしまう。
そして、それすらも許してしまう教師がいる。
ななみんはそれを解っているのか。
それとも解っていないのか。
れいちゃんには解らなかった。
「えへへー。そんじゃ、行ってくるー」
「行ってらっしゃい」
しかし、これもいつものことだ。
ななみんが意気揚々と教室から出て行く。
その姿を視界の隅にとらえつつ、れいちゃんはメールの返信を打った。
「……今のを5分で終わらせてくるななみんは素晴らしいと思います」
今まで静かに読者をしていた長い黒髪の少女―もみじさんが、ぽつりと言った。
「……あたしも」
れいちゃんはメールを打ちながら苦笑した。
休み時間、忙しなく動いてる人は一体何をしているのか気になります。
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