休み時間・3

3/3
前へ
/39ページ
次へ
「あとはーセンセーのとこ行ってプリント提出しなきゃね!」 「また忘れてたの?」 ななみんがプリントを机の中から取り出す。 昨日提出の課題だ。 ななみんは家に持ち帰らないので、いつも学校で課題に取り組んでいる。そうして、提出期限を過ぎてしまう。 そして、それすらも許してしまう教師がいる。 ななみんはそれを解っているのか。 それとも解っていないのか。 れいちゃんには解らなかった。 「えへへー。そんじゃ、行ってくるー」 「行ってらっしゃい」 しかし、これもいつものことだ。 ななみんが意気揚々と教室から出て行く。 その姿を視界の隅にとらえつつ、れいちゃんはメールの返信を打った。 「……今のを5分で終わらせてくるななみんは素晴らしいと思います」 今まで静かに読者をしていた長い黒髪の少女―もみじさんが、ぽつりと言った。 「……あたしも」 れいちゃんはメールを打ちながら苦笑した。 休み時間、忙しなく動いてる人は一体何をしているのか気になります。
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加