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夕刻。
廊下を歩きながら3人の少女たちがお喋りをしていた。
「今日の給食なんだろねー?」
茶髪の少女―ななみんが言った。
ぼさぼさとした短い髪の後ろで手を組んで、愉しげに鼻歌を唄う。
ななみんの隣を歩く金髪の少女―れいちゃんが顎に手を付いて、記憶を探った。
「何だったっけ?献立見て来るの忘れちゃったなぁ」
給食の献立は、月の始めに担任の先生から配られる。
しかし、ななみんはいつも確認していない。
そのため、こうして2人に訊くことが多い。
今日は珍しくれいちゃんも確認をしていなかった。
「……今日の献立は、主食は人参ご飯。副食はししゃものフライに沢庵。そして豆腐の味噌汁です」
そんな2人から一歩距離をあけて歩く黒髪の少女―もみじさんが、ぽつりと教える。
献立を聞いたれいちゃんは口元を綻ばせた。
「おー。あたしの好物ばかり」
「れいちゃんって見た目に反して和食とか好きだよねー」
「シンプルで美味しいからねぇ。ななみんはお菓子でしょ?」
「うん!甘いの大好きー!」
れいちゃんは和食を好む。
なので、今日の給食の献立はとても喜ばしいのだ。
ななみんはお菓子や甘味を好む。
和食も好きなため、素直に嬉しいと思っている。
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