給食・2

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夕刻。 食堂では教師や生徒たちが食事を楽しんでいる。 その人たちに混ざって3人の少女たちが同じように食事をしていた。 「人参ご飯おいしー!」 美味しい人参ご飯に、短い茶髪の少女―ななみんの頬が緩んだ。 その様子を隣でみていた金髪の少女―れいちゃんが微笑む。 沢庵をひとつ口にして言った。 「そうだね。でも沢庵が出るのなら白米が良かったかも」 沢庵と言えば白米しかない。 和食を好むれいちゃんとしては、少し残念ではある。 しかし、人参ご飯は本当に美味しいので、文句は無かった。 「そうなん?」 既に副食を間食していたななみんが、小首を傾げた。 「うん。あっ、もみじさん今日も薬持ってきてたんだ?」 ななみんに頷いてから、れいちゃんは長い黒髪の少女―もみじさんへと向きを変える。 れいちゃんの目線の先は、もみじさんの手のひら。 手のひらの上には数粒の薬が乗せられてあった。 もみじさんは小さく頷いて言った。 「……胃薬です」 「……そういえば胃凭れしてるって言ってたね……」 言われて思い出したれいちゃんは苦笑した。
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