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チャペルの中で演奏が始まり、幸奈ちゃんは私のベールの裾を持つ。
「緊張しなくて大丈夫だよ」
「うん」
チャペルのドアが開き、バージンロードの先には、白いタキシード姿の良が立っていた。
私はパパの腕に手を回す。
パパを見上げると、優しい眼差しが潤んでいた。
幸奈ちゃんの歩調に合わせ、ゆっくりとバージンロードを進む。私の目から涙が溢れ、良が霞んで見えた。
その時、幸奈ちゃんが着なれないドレスの裾を踏み、バージンロードの上で転んでしまった。
みんなの間からどよめきがおき、幸奈ちゃんは緊張から真っ赤になり、今にも泣き出しそうだ。
私は幸奈ちゃんに手を差し出す。その時、隣にいたパパが幸奈ちゃんに歩みより、優しく抱き上げた。
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