Cherry 19

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チャペルの中で演奏が始まり、幸奈ちゃんは私のベールの裾を持つ。 「緊張しなくて大丈夫だよ」 「うん」 チャペルのドアが開き、バージンロードの先には、白いタキシード姿の良が立っていた。 私はパパの腕に手を回す。 パパを見上げると、優しい眼差しが潤んでいた。 幸奈ちゃんの歩調に合わせ、ゆっくりとバージンロードを進む。私の目から涙が溢れ、良が霞んで見えた。 その時、幸奈ちゃんが着なれないドレスの裾を踏み、バージンロードの上で転んでしまった。 みんなの間からどよめきがおき、幸奈ちゃんは緊張から真っ赤になり、今にも泣き出しそうだ。 私は幸奈ちゃんに手を差し出す。その時、隣にいたパパが幸奈ちゃんに歩みより、優しく抱き上げた。
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