第3話

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　進駐官養成高校には３種類の射撃訓練場がある。拳銃用の10メートル、突撃銃用の25メートル、狙撃銃用の100メートル訓練場だ。流れ弾の危険もあるので、普段は誰も近づくことはなかった。

　昼食を終えたタツオはしかたなく訓練場裏手にある雑木林（ぞうきばやし）に足を踏みいれた。新緑の屋根が頭上に広がると、すっと体感温度がさがった。ここは気もちのいい場所だ。昼休みだから銃声が響くこともない。

「待ってたわ、タツオ」

　東園寺彩子（とうえんじさいこ）が腕組みをして立っていた。胸と肩にモールがついたカーキ色のジャケットは変わらないが、女子はスカートとパンツを選べるようになっている。サイコは形のいい脚が自慢なのだろう。いつも丈（たけ）を短くしたスカートだ。