5

12/13
前へ
/13ページ
次へ
 広げられたブランケットのうえには、5倍スコープつきの72式対人狙撃銃が投げだしてあった。銃身はまだ熱い。カートリッジには4発残っていた。72式はボルトアクションだ。排出された3発分の薬莢(やっきょう)は見あたらない。拾っていったのだろう。  狙撃銃を改めているタツオに、サイコが感心していった。 「あなたはぜんぜん変わってないね。やっぱりうちのバカ兄貴よりずっと優秀だよ。タツオ、あのね、わたしはちいさな頃から……」  サイコがなにかをいいかけたところで、野太い声が飛んだ。 「そこで、なにをしている? 東園寺と逆島か、誰の許可を得て、狙撃銃をもちだしたんだ?」
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

394人が本棚に入れています
本棚に追加