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広げられたブランケットのうえには、5倍スコープつきの72式対人狙撃銃が投げだしてあった。銃身はまだ熱い。カートリッジには4発残っていた。72式はボルトアクションだ。排出された3発分の薬莢(やっきょう)は見あたらない。拾っていったのだろう。
狙撃銃を改めているタツオに、サイコが感心していった。
「あなたはぜんぜん変わってないね。やっぱりうちのバカ兄貴よりずっと優秀だよ。タツオ、あのね、わたしはちいさな頃から……」
サイコがなにかをいいかけたところで、野太い声が飛んだ。
「そこで、なにをしている? 東園寺と逆島か、誰の許可を得て、狙撃銃をもちだしたんだ?」
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