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恭ちゃん、なんて言ってくれるかな~~
楽しみっ!
この日の為に新しく買ってもらった靴を履き、玄関のドアを開けた。
春の優しい日差しがふりそそぎ、門扉横の金木犀が輝いて見える。
今日は、入学式日和だな。
少し伸びをした後、玄関の戸締まりをし、家を出た。
そして、お向かいにある南欧風のオシャレな外観の家のドアを開けた。
「おはようございま~~す。」
「おはよう、未愛ちゃん。恭司、まだ今日も寝てるのよ。…やだ、未愛ちゃん!可愛い~~ッ♪」
白のフリルのエプロンを着こなした可愛いらしいという言葉の似合う
雅美さんが、出てきた。
「未愛ちゃん、すっごく似合ってるわ~。それに、髪型もポニーテールにしてるからか何か急に大人びて見える」
「本当?雅美さん!嬉しいっ!恭ちゃん起こしてくるね!」
私は、嬉しくて階段をかけのぼった。
「よろしくねぇ~」
ふふと笑う雅美さんの声が聞こえた。
その声がまた可愛い。
雅美さんは、恭ちゃんのママだけど『おばさん』なんて呼べるような感じではなく、雅美さんと呼んでる。
階段を昇りきると、つきあたりが恭ちゃんの部屋。
ドアをそっと開けるとこんもりと布団が盛り上がったベッド。
まだ寝てる、恭ちゃん。
近づき耳元で叫ぶ。
「恭ちゃん!朝だよ~~入学式遅れるよ~~!!」
「……るせー!」
ガバッと音がしそうな勢いで布団をめくり、起き上がった恭ちゃん。
いつもはサラサラの髪なのに起きたすぐは、ボサボサ。
あっ今日も寝癖ついてる。
「未愛…お前は普通に起こせないのかよ。」
「恭ちゃん、寝癖ついてる」
「おまっ…聞いてんのか?」
「うん!聞いてるよ~~」
なんて言いながら私は、チュッと恭ちゃんの頬にした。
「はぁ~だから、それも毎度毎度ヤメロと言ってんだろうが!」
これも日課。
立花恭司(タチバナキョウジ) 15才、今日から高校生。
そして、私の大好きな人。
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