第1話

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「だって、大好きなんだもん♪ねっ、ねっ、それより恭ちゃん制服姿どう?可愛い??」 制服のスカートを揺らす。 「……普通」 「えー何それ!ちょっとは、大人っぽく見えるでしょ?」 少しふてくされ、視線を下げる私。 普通って…もうちょっと言い方ってもんがあるじゃん。 可愛いよ~とか似合ってるとかさ。 「ハイハイ、似合ってるよ」 ぽんっと頭に手をのせ、ニッと笑う恭ちゃん。 「んも~~恭ちゃん、大好き♪」 私は、腕にギュッとつかまった。 「さて、着替えるから未愛出てって」 部屋から出て、リビングに行くと雅美さんが準備していた。 「あっ、未愛ちゃんありがとね。恭司は?」 「今着替えてるよ。雅美さんのワンピ可愛いぃ~」 「可愛いなんて、嬉しいこと言ってくれるんだから~」 ピンクベージュのコクーンワンピ。 雅美さんの小柄な感じによく似合ってる。 とても40才過ぎてるなんて、見えない。 「おっ、未愛~~♪制服姿、可愛いじゃん♪」 「柊ちゃん!ありがとう!可愛いよねぇ、この制服。」 リビングのドアから恭ちゃんのお兄ちゃん、立花柊司(タチバナシュウジ) 20才が入ってきた。 奥二重でキレ長の目。短い髪を金髪に染めた長身のイケメン。ちょっとチャラいのがね。 柊ちゃん、黙ってたらカッコいいのに。 「未愛が中学生ねぇ、あんなにちっこくて泣き虫だったのに」 「泣き虫って、柊ちゃんが泣かしてたんじゃん」 頬を膨らまし、ちょっと睨むように見る。 「だってあまりにも未愛が可愛いくてさ、ついね♪」 なんて言いながらポンポンと頭を撫でる。 完全に面白がってたくせに。よく言うよ。 「母さん、メシ~」 そこへ恭ちゃんが、支度を整えてくると柊ちゃんを見るなり溜め息をついた。 「また、未愛イジメテんの?兄貴。そんなのほっときゃいいのに。」 「おいおい、恭司~。オレは、未愛を可愛いがってんの。勘違いするな。なぁ~未愛♪」 「……恭ちゃんの……制服姿、カッコいい~~!!」 柊ちゃんより少し背は低いが、痩せているからかスラッとしていて、ブレザーの姿が決まってる。 何より雅美さん譲りの二重の黒い瞳が、キレイで吸い込まれそう。 かっこよすぎだよ~~恭ちゃん。 また、高校でもモテモテなんだろうな…同じ年だったらよかったのに。
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