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「だって、大好きなんだもん♪ねっ、ねっ、それより恭ちゃん制服姿どう?可愛い??」
制服のスカートを揺らす。
「……普通」
「えー何それ!ちょっとは、大人っぽく見えるでしょ?」
少しふてくされ、視線を下げる私。
普通って…もうちょっと言い方ってもんがあるじゃん。
可愛いよ~とか似合ってるとかさ。
「ハイハイ、似合ってるよ」
ぽんっと頭に手をのせ、ニッと笑う恭ちゃん。
「んも~~恭ちゃん、大好き♪」
私は、腕にギュッとつかまった。
「さて、着替えるから未愛出てって」
部屋から出て、リビングに行くと雅美さんが準備していた。
「あっ、未愛ちゃんありがとね。恭司は?」
「今着替えてるよ。雅美さんのワンピ可愛いぃ~」
「可愛いなんて、嬉しいこと言ってくれるんだから~」
ピンクベージュのコクーンワンピ。
雅美さんの小柄な感じによく似合ってる。
とても40才過ぎてるなんて、見えない。
「おっ、未愛~~♪制服姿、可愛いじゃん♪」
「柊ちゃん!ありがとう!可愛いよねぇ、この制服。」
リビングのドアから恭ちゃんのお兄ちゃん、立花柊司(タチバナシュウジ) 20才が入ってきた。
奥二重でキレ長の目。短い髪を金髪に染めた長身のイケメン。ちょっとチャラいのがね。
柊ちゃん、黙ってたらカッコいいのに。
「未愛が中学生ねぇ、あんなにちっこくて泣き虫だったのに」
「泣き虫って、柊ちゃんが泣かしてたんじゃん」
頬を膨らまし、ちょっと睨むように見る。
「だってあまりにも未愛が可愛いくてさ、ついね♪」
なんて言いながらポンポンと頭を撫でる。
完全に面白がってたくせに。よく言うよ。
「母さん、メシ~」
そこへ恭ちゃんが、支度を整えてくると柊ちゃんを見るなり溜め息をついた。
「また、未愛イジメテんの?兄貴。そんなのほっときゃいいのに。」
「おいおい、恭司~。オレは、未愛を可愛いがってんの。勘違いするな。なぁ~未愛♪」
「……恭ちゃんの……制服姿、カッコいい~~!!」
柊ちゃんより少し背は低いが、痩せているからかスラッとしていて、ブレザーの姿が決まってる。
何より雅美さん譲りの二重の黒い瞳が、キレイで吸い込まれそう。
かっこよすぎだよ~~恭ちゃん。
また、高校でもモテモテなんだろうな…同じ年だったらよかったのに。
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