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「いいでござるね~、もっとこう、胸を寄せる感じで」
「うふ、こんな感じかしらぁ?」
ぱしゃり、ぱしゃりとシャッターを切る音。
私立喜多大路高校の校長室。
国語担当教諭の高井裕美子{たかいゆみこ}は朝早くからチャイナドレスを着て、艶めかしいポーズをとっていた。
その姿を校長が興奮しながらカメラに収めていく。
今日は四月の一日。まだ新年度のカリキュラムはスタートしておらず、学校には誰もいない。
愛人関係にある二人が密会するのに校長室というのはうってつけの場所であった。
「あなたってこういうのも趣味だったのねぇ」
高井裕美子、二十八歳。
コスプレ自体は嫌いではないが、あまり体型がもろに出るものはそろそろ着たくない年齢である。
「いやあ、この前の白スクもよかったが、チャイナもまた堪らんでござるよ。拙者、接写するでござる~。ふひひひ」
そんな風に二人がいちゃつきあっていると。
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