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青髪の少女は軽く頷き、中一サイズの少女に何やら耳打ちする。
中一サイズの少女――こちらは目も眩むような金髪を腰まで伸ばしている――は満足げな笑みを浮かべ、
「そうであるか、【トラスラード】は成功したということじゃな?」
と古風な口調で青髪少女に応じていた。
トラスラード?
何のことを言っているのかまったく分からない。
この少女たちは誰で、何の目的で、そしてどうやってここまでやって来たというのだ?
――とにかく、ここから逃げた方が良さそうねぇ。
裕美子がそう思っていると。
「き、君たちは一体何者だね!?」
校長がガバッと起き上がり、少女たちに指さし叫んだ。
さすが校長。
頭は禿げあがっているしお腹もぽにょぽにょしているけれど、いざというときは頼れる人物なのだ。
「これはこれは。申し遅れました。私たちは〈エチセラ・マーガ〉なる組織に所属している者です。そこの青髪がオルタンシア、こちらの美しい金色{こんじき}の髪を携えているのがアグスティーネ隊長、そして私はマルリスと申します」
と三人の中では一番背の高い、オリーブの実のような色の髪の少女が答えた。
彼女は一人だけ眼鏡をかけており、ほか二人よりも随分と理知的に見える。
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