第2話

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青髪の少女は軽く頷き、中一サイズの少女に何やら耳打ちする。 中一サイズの少女――こちらは目も眩むような金髪を腰まで伸ばしている――は満足げな笑みを浮かべ、 「そうであるか、【トラスラード】は成功したということじゃな?」 と古風な口調で青髪少女に応じていた。 トラスラード?  何のことを言っているのかまったく分からない。 この少女たちは誰で、何の目的で、そしてどうやってここまでやって来たというのだ?  ――とにかく、ここから逃げた方が良さそうねぇ。  裕美子がそう思っていると。 「き、君たちは一体何者だね!?」  校長がガバッと起き上がり、少女たちに指さし叫んだ。  さすが校長。  頭は禿げあがっているしお腹もぽにょぽにょしているけれど、いざというときは頼れる人物なのだ。 「これはこれは。申し遅れました。私たちは〈エチセラ・マーガ〉なる組織に所属している者です。そこの青髪がオルタンシア、こちらの美しい金色{こんじき}の髪を携えているのがアグスティーネ隊長、そして私はマルリスと申します」  と三人の中では一番背の高い、オリーブの実のような色の髪の少女が答えた。 彼女は一人だけ眼鏡をかけており、ほか二人よりも随分と理知的に見える。
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