5人が本棚に入れています
本棚に追加
「そ、そんな風に横文字を並べられても分からん!
もっと分かりやすく説明しろ! 納得のいく説明ができないのなら警察を呼ぶぞ!」
校長はマルリスという少女の説明の意味不明さが頭に来たらしく、顔を真っ赤にしている。
確かに彼女たち闖入者を追い払うには警察を呼ぶと脅すか、実際に警察を呼んでしまうのがもっともな手段に思えた。
「別にお主らに納得してもらう必要はないのでのう。
ただこの学校を乗っ取りにきた、ということだけ理解してくれればそれでよろしい」
金髪の少女が「くっくっく」と顎に手を添えて笑う。
その仕草もいかにも年寄りじみていて、いったいこの子は何歳なのだ、と裕美子は訝しる。
さっきから見た目と所作が明らかに乖離している。
「とりあえずお主らは邪魔なので消えてもらうぞ。
ああ、消えてもらうといっても学校の敷地外に追い出すだけだから安心するがよい。転移の魔法、【トラスラード】!」
少女は何やら複雑な図形が描かれた紙を裕美子たちに掲げながら言う。
次の瞬間、図形が光り出して裕美子の視界全体が光に覆われる。
「え、な、何が起こったの……!?」
気づいたとき、彼女と校長は学校から遠く離れた公園の隅に飛ばされていた。
最初のコメントを投稿しよう!