香水魚

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専門家によって分かったことが、僕たちは一定の期間一定の温度の水に生きたまま住むことにより、その水の匂いが凄く良い香りになるということ。 それを知った各種香水メーカーは僕たちの人工的な繁殖に着手し、新たな香水として続々と発表していった。 主な製品の情報としては香水の入れ物の中に僕たちと僕たちに適した水を入れ、そのまま店頭に並べるといった形だ。 僕たちが買われて買い主の元へと行き香水の中身を使い果たすと、人間たちは僕たちを捨てるかそのまま飼うか、若しくは香水会社へとリリースする。 つまる所僕たちは人間の嗜好を満たすためだけの存在なのだ。
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