憧れはそこから…

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その時偶然にも近くを通り掛かったのが当時、王国騎士団に入ったばかりのデイ=ハーンズだった。 単独任務の帰路の途中だったらしいのだが、彼はその惨状を聞きつけ颯爽とティアンに現れたのだ。   逃げ廻る人々の中を掻き分けクードランと対峙する。     巨大モンスター一体VS人間一人…こんな不利な状況でわざわざ現れる者など普通は居ない…知らぬ顔をして通り過ぎればいいのだ。現に助けを請うても突っぱねられるのが殆どだ…彼等のほとんどに必要なのは今の地位なのだから。   しかし、デイは違った誰に頼まれる訳でもなく駆けつけたのだ。   そして死闘3時間…デイは何とかクードランを仕留めた…。   そして村人達のお礼は一切受け取らず、ただコップ一杯の水だけを受け取り飲み干すと軽やかに去って行った…。   その時のデイの言葉が今でもジャンの胸に焼き付いている。…彼はこう言ったのだ…     「あなた方、民の笑顔こそが僕の宝物なんです…」 と。
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