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「…お前らね…。何やってんの」  春山先生が、呆れ果ててわたしたちの顔を見渡す。 「いいじゃん、先生」  マリが口をとがらせながら抗議した。 「先生に会えるのも、あと少しなんだもん。 写真くらい、撮らせてよ、ケチ」  無邪気なその言葉に、ひりひりと胸が痛む。  卒業まで、あと3カ月。  その間には、冬休みだってあるし、…3学期の途中からは、自由登校になってしまうので、先生と過ごせるのも、本当にあと少しの期間だけだ。  マリの携帯が、チャララン、という電子音を響かせる。 「おま、やめろって。どうせアルバムに載るんだから、いらないだろ」 「何言ってんの、私達は先生のその恥ずかしがる顔に萌えてるんじゃんっ」 「別に恥ずかしがってない」 「ほらあ、そーゆーとこっ」  マリは再び携帯のシャッター音を鳴らした。  こういう何気ない時間を、カメラで切り取ることが出来ればいいのに。  わたしは携帯を構え直し、仏調面に変わってしまった先生の顔を、パシャ、と写真に収めた。
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