4人が本棚に入れています
本棚に追加
/25ページ
ここにあったはずの、プリンがない。
楽しみにしていたのにッ!冷蔵庫で冷やして!一番美味しいときに食べようと思っていたのにッ!
「犯人許すまじ!早速炙り出してやるから覚悟しろッ!」
僕は部室にて叫んだ。部室というか、空き部屋を勝手に占拠しているだけなんだけど。
「なになに真汰、今度は何が起きたの」
「やあ由里。君を締め上げたらプリンが戻ってくるかい?」
「胃液しか吐き出せないけどそれでもいいの?」
時津由里。この部室に入り浸る五人のうち一人だ。肩より下まで髪を伸ばした女子なのだが、左目を怪我で失っているため、ファッション感覚で包帯を巻きつけ隠している。そのくせ隠し事が嫌いだと先日豪語していた。
最初のコメントを投稿しよう!