恋人魚

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 だから、僕は砂に膝をついて彼女の真上から見下ろした。  整った彼女の顔は無表情で、眠っているようにも見える。  そっと彼女の髪に手をのばす。  一撫で。  そして一櫛。  黒髪は冷たくて、何故だかとてもやるせない気持ちになった。  僕は彼女の力無い手を取って握り締める。  切なくて、切なくて、何処か苦しくなる。image=482653261.jpg
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