1081人が本棚に入れています
本棚に追加
「…あっ…あ、あの、せんせ…」
「なに」
じりじりと追い詰められたわたしは、すぐに勉強机におしりが突き当たり、退がれなくなってしまった。
「お義兄…。和真さん、…どうしたんでしょうね」
「ああ、…添い寝してるうちに、寝ちゃったんじゃない?いつもそうだから」
「…でも、…もしかしたら、起きてるかも…」
「起きてたら、降りて来るだろ。…和真がどうかした?」
「いえ…なんでも、ないんですけど…」
逃げ場をなくした私の体を、先生がひょい、と持ち上げ、机の上に座らせた。
両手でわたしの膝をぐぐっと割り、足の間に身体を割り込ませて来る。
「せっ…先生…」
「ん?」
「そんなことしたら…」
……和真さんに、見られちゃう……。
先生の熱を帯びた瞳が、どんどん近付いて来る。
「あ、危ない…」
「…なにが」
「唇、ぶつかっちゃ…」
そのまま、先生はわたしの唇を塞いだ。
甘く、優しく唇を吸いながら、じれったそうにわたしの腰を引き寄せる。
…ダメ…。
和真さんが…いるんだってば…。先生…。
じっくりと口の中をかき回されながら、ぼうっとした思考の中、うっすらと目を開けると、…先生の肩越しに、そおっとドアの陰から出て来る和真さんの姿が見えた。
こちらを振り返り、ニッと笑って親指を立て、廊下に出て行く。
和真さんの姿が見えなくなってから、わたしは先生の首に腕を巻き付け、甘く吐息を漏らした。
最初のコメントを投稿しよう!