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「…あれ」 「……」 「なんで、真っ赤になってんの」  わたしは俯いたまま、小さな声で言った。 「…わたし………だから…」 「え?…聞こえない」 「…わたしは、…先生が、初恋だから…」 「……」  じっとこちらを見つめる、先生の目。  ゆっくりと手のひらが伸びて来て、わたしの頭を後ろから支えた。  先生の顔が近づいて、――目を閉じるのとほぼ同時に、唇が柔らかい感触に包まれる。  そのまま、先生の身体に押され、わたしは優しく、絨毯の上に押し倒されていた。  目を開けると、身体の両脇に肘をついた先生が、すぐ目の前でわたしを見下ろしている。  じっと見返すと、コハク色の瞳の奥が、静かに熱を持っているのが分かった。  ――あ……。  何かのスイッチ、押しちゃったかも……。  ドキドキしながら唇が降りて来るのを待っていると、先生が顔を沈めてきた。  ちゅる、と軽く唇を吸い、角度を変え、今度は強めに吸い上げる。  そうして、何度も、何度もキスを繰り返されるうち、わたしは徐々に、その熱に浮かされ始めた。  息を漏らすと、先生の唇が頬を伝い、わたしの首元に潜り込んで来る。  先生の柔らかな髪が頬をくすぐり、首筋を伝い、……触れるか触れないかのその微かな感触に、わたしは焦れるように身体を震わせた。  熱を持ったような先生の唇が、首の付け根から上に向かい、筆のように濡らしながら、じっくりと撫で上げて行く。 「…あ…」  思わず上げた声が大きすぎて、咄嗟に口を手のひらで押さえると、先生がその手を掴み、絨毯に押さえ付けた。
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