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のどかは、ネコとは昨日会ったばかりだし、今ネコが散歩に行ったらもう帰ってこれなくなるかもしれない、もう会えないかもしれない、ということまでは考えた。しかし、自分は正式にネコの飼い主になったわけじゃない。なので、それで良いのかもしれないと思った。もし縁があれば、また会えるだろうと。だからネコが散歩に行くことを拒まなかった。ネコはまだ野良猫だ。ネコの自由にさせてやろう、と。 案外面倒見の良いのどかは、自分が昔使っていた小さめのリュックをネコに持たせた。 「なにこれー?」 「このバッグの中に、おにぎり入れといてあげるから、お腹がすいたらすきに食べな?」 「…!ありがとのどかー!」 わあいー、と両手をあげて喜ぶネコ。 その仕種がかわいくて思わず頭をかしかし撫でてやるのどか。ネコは目を細め、耳を伏せ、気持ち良さそうにしている。 「じゃあね。」 そう言って、学校へと向かうのどか。 「行ってらっしゃーい!」 ぶんぶんと手を振ってお見送りするネコ。 「(行ってらっしゃいとか…久しぶりに言われた…。)」 ちょっと心がほっこりしたのどかだった。 もうちょっとネコと一緒に居たい気持ちになった。けど、家に帰るともしかしたらもう居なくなってるかもしれない。 ちょっと残念かもしれないけど、基本的に猫は自由気ままなイメージなので、束縛してしまうのは躊躇われる。
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